パークホームズLaLa新三郷
グッドデザイン賞受賞
埼玉県三郷市〈2014.9〉
住戸専有面積:83.93m²
バルコニー面積:32.99m²
Photo by Shinkenchiku-sha
広がる通りみち
現代では「共働き」とは男女の社会的役割の変化はもちろん、
テクノロジーの発達により、働く場所や仕事のあり方さえも多様化している。
「子育て」とは親が子どもを見守ることから、子どもが大人へと成長していくまでの、
親子の長い時間と関係性の変化を含む。

こうした状況において、従来の細分化され固定化されたnLDKに家族を当てはめるのではなく、住まい手自身が想像力を掻立てられる、多様性と柔軟性を内包した住まいが必要だと考えた。

本計画では,空間を「水回り」と「寝室」という最低限の機能に分け、
中心に「通りみち」という余白を設けた。
「通りみち」は玄関からバルコニーまでひと続きに広がり、
19.6畳の面積をリビングや執務スペース、遊び場として使うことができる。
寝室と「通りみち」の間には室内開口を設け、
角住戸の利点である2面からの採光通風が全体に行き渡るようにした。
来客時や就寝時には引戸を閉めることで、視線や光漏れを遮り、
寝室として必要な機能性と安心感を保つ。

完成した住戸は、2階という目線の高さと新三郷の雄大な景色も相俟って、
内外の一体感のある気持ちのよい空間を実現することができた。

「朝起きて開口を開けると家中に光が溢れる」。
こうした日々の生活の所作が、開かれた風通しのよい家族関係に繋がることを期待する。